Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!

☆TAKISHITA RYO Official Blog ☆

三つ目の新しい稽古場へ(原題「三つの城」劇団S.W.A.T!下北沢 稽古場)

2022/05/10
 

 

新年会。「新」稽古場びらき。

 
2011-01-20 10:03:31

 

 

 

「三つ目の城だ」

 

 

と劇団座長の四大海が言った。
 

 

カンパイ前に、
 

三階の窓から向かいの高架を通り過ぎる
井の頭線が、渋谷に向かって急いで唸る。
 

やっと稽古場らしくなった。
バレエスタジオだった貸主さんのピアノを
壁側に移動して
バー付きの大鏡を磨いて

 

折りたたみの机の上には
大きな皿に、ささやかなおつまみが並び
 

京王線の開かずの踏切路沿いにあるスーパー
オオゼキの寿司盛り(梅ヶ丘のミドリだ!)あと
カセットコンロの鍋が二器、白菜と豚肉が煮える。
 

 

手渡された缶ビールと、発泡酒を持ち
 

みんな、そろった。
これから座長が、一言を告げる。
 

この鏡張りのバレエスタジオが、新しい稽古場だ。
 

引っ越してきた中野島の大倉庫稽古場にくらべたら
手狭(てせま)にはなったが
天井の梁(はり)が、意外と高いし、悪くない。

 

三つ目の城に、なったのか。

 

 
僕は、
過ぎてきた景色を想い出す。
 

一つ目は
 

「城」というより「砦」だった。
 

僕が劇団に入ったばかりの20代。
 

多摩ニュータウンに囲まれた
商店街の真ん中にある狭いスタジオは、
西日がやけに明るい、
白い壁の小さな箱みたいな稽古場。
 

ウォーミングアップは、
20人くらいいたメンバーが
ひしめきあい
 
だから、外へよく出た。
 

近くの芝生の広場を駆け回り
サッカーボールやフリスビー追って、
 
みんな
泥だらけのまま稽古をやった。
 

走って汗だくでフラフラになっても
いつも稽古は緊張して見ていた
 

まるでサッカー芝居の
「緑の戦場」は
僕らの身体の記憶だ。
 

僕ら若手の出番は、少なかったけど
ぎゅうぎゅうに寄って座って、
先輩たちの稽古と活躍に憧れていた。
 

たくさんの時間があった。
稽古場よりも、広場でめちゃくちゃ走り回った
 

真昼の芝生とみどり色の空が

 

一つ目の砦。

 

 

2つ目は

川崎の巨大な倉庫。
 

それは要塞と呼ぶにふさわしい。
メンバーも更にたくさん増えた。
 

まるで廃墟の建物に
集まった無頼の衆だ。

僕らが円形劇場で演った
「真田の十勇士」みたいだ。
 

大きな戦(いくさ)をすべく、
芝居のために手作りで防音の城壁を築き、
床を厚い板で敷き詰め
本番の舞台のように改装した稽古場は
僕らを鍛えた。
 

作業場からは、戦のへ赴くための、
 

舞台セットのパネルが何枚も作られ
ペンキ塗りたての大きなパネルが
何枚も巨大ななシャッターの前に
建てられ、まるで工房だった。
 

職人肌のメンバーが
工芸のような傑作の小道具を作り続けた
 

僕らが行きたかった
数々の経験をさせてくれた
 

 

大きな舞台を何度も演って
小さな舞台のロングラン公演
 

数々の旅の公演は、
僕らと、支えてくれるお客さまとを
めぐり合わせた。
 

それは僕らが創る舞台の、土壌となった。
 

梨の畑に
小さな小川のほとり
 

真昼は静かな
空の広い住宅地囲まれた、巨大な倉庫。
 

ひたすら戦った、10余年。
 

 

赤茶けた鉄の色。
 

ふたつめは
鉄骨の城。

 

 

そして、三つ目の城が、ここだ。
 

 
下北沢は、僕にとって
芝居の聖地だ。
 

 

本多劇場や、ザ・スズナリ。
駅前、OFF OFF。
 

たくさん観に行って
たくさんの芝居仲間と
呑んで語って、
舞台に立った。
 

いつも憧れの街だった。
 

 

三階の窓からとおり過ぎる京王電車が
吉祥寺に向かうのが見える
各駅停車かな、座席がすいている。
 

 

ひとしきりの間。
四大海のあいかわらず少ない言葉には、自負がある。
 

 

みんなは、どんな顔をしてるだろう。
 

僕らが築いたのは、何だろう。
メンバーの顔を見る。
 

 

意外と、すっきりしているもんだ。
 

 

選んだ色は
どんな色になるだろう。
 

不安でないのはウソだ。
 

ただ、
ある濃厚な心地よい風が
胸に吹いている。

 

 

「カンパイ」

 

三つめの開城に

 
電車の通る音。

まだカーテンの無い
暮れた窓の外を見ると
 

 

通勤快速の明るい車窓が
たくさんの人を照らし

映画のラッシュのように
線路を軋ませ
 

高架向こうに浮かぶ
本多劇場のマンションを
 
祈る気持ちで

 

缶ビールを仰ぐ。

 

 

願、晴れ。

 

(ところがこの年、2011年。春に予定していた公演が、震災という、避けることの出来ない事象に、僕らも巻き込まれることになる。追記 2022-05-05)
 

稽古続行中。

2011-03-17 10:06:06

 

 

一月に越してきたばかりの新稽古場 での
 

新作「swat!八犬伝」の稽古は、
こないだの大地震の影響で頓挫した。
 

 

計画停電のため電車がストップして
メンバーが稽古場まで
これなかったりしたために数日稽古が休みだった。
 

 

稽古が始まる前
メンバーが集まり、地震の影響で、
まだ二人ほどここに間に合わないが
 

制作から、「本番をどうするか?」という話がされた。
 

 

「やるでしょう?」
 

四大海はと間髪いれずにいった。

 

床に座りながら、
みんなの顔をみたが志気が消えたということはない、
 

しかし全体的に曖昧な表情なのは、
 

僕らはいいが、だ。
 

そう、お客様と劇場だ。

 

 

停電は?
劇場は、都庁の近くで「計画停電」の範囲からは除外されている。
 

場所は新宿だ。
電車が集中している。アクセスは可能であろう。
 

劇場側は、ぜひやって欲しいそうだ。
公演当日。全面的にバックアップするとのこと。

 

 

そして、制作から
 

 

震災後からのチケットの申し込みが、ある。
 

ということだった。

 

 

僕らのやっていることと
「震災」という状況だ。
 

でも、この関東で「ここでの震災という状況」を
 

僕らなりに感じ、
同時進行的に同じく暮らしながら、
 

お芝居を作っている。劇の物語の世界は「震災」でなくても、
 

暮らしている僕らの肉体は「震災」を体験し続けているのだ。
被災地の方々と比べることは出来ない、想像を絶し過ぎている現実だ。

 
 

そんな僕らが、
同じく日々「ここでの震災という状況」を
感じて暮らしている人たちや、
劇場に足を向けてくださるみなさんに、できることは、
 

4月にちゃんと劇場で初日を開け、
元気でツヤツヤした芝居を舞台にのっけて
足を運んだ皆さんとともに、
 

無事に、千秋楽を迎えることじゃないだろか。

 

 

稽古、続行をすること。
 

 
 

 

劇団S.W.A.T!4月本公演
 

「S.W,A.T !八犬伝」
2011.4/7~4/12
新宿スペース107

 


 
 

 

この記事を書いている人 - WRITER -
俳優 YouTubeダーさん  プロデュース公演に参加したり若手作家たちの作品にも精力的に多数参加。そのBEEPでDEEPな交友関係はかなり広い。YouTubeチャンネルは保育士さんや子供たちに大人気。また国民的テーマパークのショーアクターとしての実績も長い。 絶対青春コメディ sing!!! 九州公演 2022/01.14〜15 劇団S.W.A.T!公演「ある超能力者の記録」2022/02.10~20 など
スポンサードリンク
スポンサードリンク

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


Copyright© Freedom Curry , 2022 All Rights Reserved.