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☆TAKISHITA RYO Official Blog ☆

さらば、中野島稽古場【劇団S.W.A.T!】

2022/05/27
 

ここから生まれた劇団S.W.A.T!の作品たち

2010-12-07 19:45:48

 

 

「ここから、生まれた、僕たち劇団S.W.A.T!の作品。」

 

 

 

ひと月あまりの「大忠臣蔵」の通し稽古は、
いつものように終わったけど、
十余年間いろいろな作品を生み出してきた、この稽古場の

 

今日がほんとの最期の稽古。

 

 

その幾年月。
この大倉庫に引越してきた真冬の寒い中、

 

息を白くしてコンクリ床を板間にパネルで壁を防音にして
とっても寒くて、とっても暑かった稽古場。
 

いつしか、この場所に住み慣れて
いくつも、いろんな舞台が生まれて
いろんな人が行き交った
 

いろんな人と関わり
いろんな人が去っていき
 

いろんな作品が、
舞台にあがった
 

一年どころか
その十余年間。

 

 

大倉庫の稽古場に
 

 

ありがとう。

 
 


 

 

初仕事

2011-01-07 10:00:47

 

年明けて
七つ数えて「初仕事」

 
 

あまり行きたくなかったのは
 
 

朝集合が30分早まったからではなく
年末年始のあわただしさの余波でもなく
 

十余年間、つかった稽古場を解体するのが
いやだったからだろう
 
 

年末「大忠臣」の舞台がはねて、
舞台をバラし、公演を終え
 

ひさびさに行った稽古場は、だいぶ片付けられていた。
大量にあった衣装や小道具なんかも
 

最小限にまとめられ
倉庫行きと
次の新しい稽古場へは、
下北沢行きに仕分けされていた。

 

僕が忙しくしていた合間にメンバーが
ちょくちょく自動車やらで運んでくれたり、
棄ててくれたりしたのだ。
 

二階の事務所は、
本棚やパソコンのデスクが
もう片付き
 

カーテンのない窓に
くすんだ白い壁紙と
 

妙にまぶしく閑散としていた。

 

 

今日は
僕らが作った
「壁」や「床」や「仕切り」や「天井」を取り払い

 

その廃材を
業者トラックが
運んだり
まとまったパネルを壊しながら、積載する。
 

 

僕の「仕事始め」は
10年お世話になった
「稽古場のバラシ」だった。
 
 

 

解体


 

稽古場の解体作業だ。
十余年前、まだ若かった僕らは
大型シャッター3つもある大きな倉庫を借りて
自分はたちの手で、改造して僕らの稽古場を作ったのだ。

 

 

釘を抜き、床板をメリメリとはがすと

 

「タイムカプセル!」
(この!字は四大海だ)
と書かれた一枚のダンボールがでてきた。
 

「1996.2.2(金)」
(なぐり書きも、四大海だろう)
 

「18:50」
(昼から始めて暮れるまで)
 

「明日は、節分だ 滝下」
(これは僕の字。なんと安穏な安直さだ)
 

 

真冬の作業、寒かったなぁ。

 

 

 

回し書きのマジックインキは、生々しい当時のまんま
懐かしいメンバーの名前や、今は離れてしまった人や、
 

当たらなかった予言は

 

あの時間の空気をありありと残したままだった。

 

今その「始まりと、終わり」に
僕はいる。
 

寂しいわけではないのだけど、
気持ちはフワフワとあの時間にとどまり
あっという間に、今をただよう。

 

それにしても簡素なりに、よくできた床だ。

 

コンクリートに干渉材のタル木を這わせて、
その上をコンパネという厚めの合板を張り付けた。
 

しかもタル木の一本一本にゴムを貼り付け、
クッションになっているから
若い僕らの、むちゃな演技の衝撃を吸収して、
 

ひざや腰やらに、やさしい演舞場だったのだ。
 

役者じゃなければ、こんな床は考えないじゃないかとさえ思える。
バレエダンサーならもっと繊細だろう。
 
 

「頑丈」
 
 

一つ一つが手作りだ。

 

汗とジャージと稽古で磨耗した床は、
天井の蛍光灯の姿を映すほど、ピカピカに磨かれていた。

 

一つ一つ解体されていく。

 

壁と天井は、近隣住民への防音と僕らの防寒をかねて
グラスウールという綿のような素材をつめた。
 

細い黄色のガラス繊維は、
目に入ったり吸ったりすると、いつの間にか小さな傷をつけて危険なのだ。
密閉した服にゴーグルと手袋をして丁寧に剥がさなければならない。

 

寒い吹きっさらしの倉庫作業あとの二三日、
軍手の隙間に入った繊維のキズがチクチクひりひりしたのを思い出した。

 

 

まず天井が外された。
いったいどれだけのセリフをこの天井は吸い込んだろう。
 

 

すると
天板の奥にトタン屋根があると思いきや


 

古びた幕が、色鮮やかにくすんで張られていた。
いや引っかかっていた。
 


 

「葵の紋」と「菊の紋」
 

天井裏の幕は音を消すからと、
近接する住宅地への騒音に細心の注意を払っていたのだが、
この「幕末の幕」は
いや、なにか呪詛的なものがただよう。
 

舞台で使われたからか
その橙色と緑色のまがまがしさか

 

人柱ならぬ、人の思いや念みたいなものを感じざるえない。

 

 

板に隠れた、
ダンボールと古びた幕は
今も当時の念がこもっている。
これは「念幕」だ
念幕(粘膜)に守られながら舞台を創ってきたのだ。

 

「それは王墓をあばくように」
 

いささか大げさだが、
何を伝えられるだろう。
 

喪失感とは、けっして語り尽くせず、よどみ沸き立つ言葉だ。
舞台の燃料は語られない役者の誇大妄想だ。
数々の公演を支えた稽古場を解体していく、

 

この力作業が、
劇場の舞台セットをバラすように淡々と進んでいく。

 

いつものように
いつものように

 

 

十四年目を続けて
迎えた大千穐楽の

 

 

一つの演目が終わるように。

 

 

(この後、搬送トラック待ちに、少し滑稽な出来事が起こる)

こども社長

2011-01-10 10:19:02

 

劇団員、若手の赤峰は社長を待っていた。
業者との当日のやりとりを仕切っているからだ。
 

ものすごい量の廃材を
小さな廃棄業社に頼んだ。
いろんな会社を当たったがまともに清算したら倉庫一つ分
10年間にたまった廃棄物は、いくらあってもたりない。
やっと、見合った業者が見つかったと、言っていた。

小さな会社だから、新年明け早々の仕事は
他は出払っているのだろう
今日は、社長自らから回収にあたるらしい。

 

 

壁と床、天井はがしの別働隊の僕らとは別に
山となった廃材を積んだりするチームは
業者がくるまで始まらない。
 

ところが、なかなか来ない。
待ちぼうけを募らせる中
 

僕らは次の作業を始めていた。

 

やっと、
トラックがきた。
 

中で作業していた僕らも待ちかねたように、出むかえ、
赤峰は今日やりとりをする社長のトラックへ挨拶に向かった。
 

 
「あのらたとーつあんあ?」
赤峰は滑舌が悪いのでこう聞こえだろう
 

「あの社長さんは」
 

 

すると
なんと
二人の少年があどけなく降りてきた

 

「子供社長ッ?しかも二人!」

 

と赤峰は思った、そうだ。
(そんなわけないだろ!みんなのツッコミ。)

 

運転席から、小柄な作業着のおじさんが出てきた。
社長だ、、、ホッ。
赤峰は安心したそうだ。

 

搬送の車とよく見る家庭ゴミの回収車が、交互にあるいは
同時に稽古場の前につき、ごみ処理場とをピストン運搬する。
 

あの社長が運転してきたのだ。
たぶん少年二人では、無免許だろう
いくつかわからないが中学生か高校生くらいか
 

社長の親子ではなさそうが
社長がとても丁寧だから、もしかしたらと、も思う。
 

僕らでまかなおうという計画なので、猫の手も借りたい。
二人の少年は危ない現場の作業は、大丈夫だろうか。

 

二人の少年、タイヨウくんとヨウスケくん(仮名)たぶん高校生は、
高いところに登って荷物を引き上げたり、社長に怒鳴られながらも、
こまごました現場のそうじなどもして、ものすごく助けもらった。
 

お正月のお年玉にはなったのかな。

 

 

それにしても驚いたのは
よく見る家庭ゴミの回収車だ。
 

小さな入り口に長いパネルやらをいれるとバリバリと破砕して、
丸呑みする怪物のように、あっというまに片付けていく。

 

 

すごいなぁ。
 

僕ら、毎公演できたえた搬入搬出の受け渡し技術は
人海戦術だったら、
業者を上回っていたと、自負している。
質より量と、力技で。なんて。

 

いく度かの搬送と
その間に
 

 

すこしの休憩と

 

 

あれよあれよと片づいて
4日間かかると言われていた作業は、

 

1日目でほぼ終わった。

 
 

その早さは
奇跡かと思うくらい

 

 

 

「稽古場」は
 

「もとの倉庫」になった。
 

 

「いざ、さらば」

2011-01-11 11:22:17
 

 

 

 

去らねば、ならない
 

 

 

僕らはいつでも
 

借りの宿だ。
 

 

 

とりたてて淋しくないのは何故だろう。
このあまりにも「倉庫」にもどった「稽古場あと」のせいだろうか。

 

 

ぬれ雑巾で、モルタルの壁を拭きながら
あるいは錆びた鉄筋をこすりながら、落ちもしない汚れを
掃いてもなくならない砂ぼこりをあつめながら
 

 

「たぶんこの倉庫は、取り壊されてマンションになるんだろうな」
と、思った
 

だから
この終わりのない「大そうじ」に徒労を感じたりしたんだ。
 

どうせ壊してしまうものに。

 

 

とりたてて淋しくないのはなぜだろう
 

僕が今までやってきた
お芝居という場所が、
出会いの場で別れの場であったからか。
閑散としたこの倉庫のせいか。

 

 

でも窓枠を拭いていたら
「稽古場」の窓から、
 

 

馴染みの風景が見えた。

 

 

 

僕は今も「稽古場」にいる。

 

 

この稽古場で、芝居を創ってきた、数え切れない思い、
今は演劇から離れてしまった懐かしい人たち
 

数々の物語と舞台と。
 

その痕跡は、
 

この「倉庫」にもどった「稽古場のあと」からはわからないけど。
 

 

 

いつも思う。
 

稽古をしている仲間と、次はいつできるんだろうと
劇団でも客演の公演でも

 

 

いつまでも続くと
その時は
いつも思ってしまう。

 

 

でも、わかっている
劇場も。舞台も。物語も。人生も。

 

 

僕らはいつも
 

借りの宿にいる
 

ここは永遠ではない。
 

 

だから、その場を
できるだけ
 

 

「ちゃんと」する。
 

 

この大そうじは、稽古場への精いっぱいの感謝だ。

 

ありがとう。
 

 

 

 

今日
それが一つ、終わった。
 

 

劇場の明かりがつき、席を立つ。

 

 

行き場がないのではない
 

新天地に、赴くのだ。
 

 

 

いざ、去らば

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明日、晴れ
 

光を胸に
 

一歩づつ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

涼。

 

 

 

 
 

はじまりの日

2011-01-14 10:05:28

 

 

 

 

11.1.11
 

 

新天地は、下北沢。

 
僕が
芝居に憧れた街。

 

狭い階段を登り
古いビルの屋上から
遠く景色
 

 
三茶通りの街並みが
暮れていく
 

 

空は、
とても広く染まり
 

馴染みのはずの
 

下北沢が
知らない街に見えた。
 

11.1.11
 

まるで始めを
数えるような
最初の数字。
 

 

ほくほく鍋と缶ビールでカンパイ
 

若い顔、親しんだ顔、
忘れ去られない顔
 

オオゼキの寿司と
チョコレートクッキーの
ささやかな、お祝い

 

劇団の旗揚げに
立ち会うかのような

 
川崎の大きな倉庫には
かなわないが
 

もう一つの時代が
始まるに違いない

 

11.1.11

 

 

新しい稽古場の
こけらおとす。

 

 

 

本日は、佳日にて

 
 

 

 

 
三つ目の城 (劇団S.W.A.T!下北沢 稽古場)

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -
俳優 YouTubeダーさん  プロデュース公演に参加したり若手作家たちの作品にも精力的に多数参加。そのBEEPでDEEPな交友関係はかなり広い。YouTubeチャンネルは保育士さんや子供たちに大人気。また国民的テーマパークのショーアクターとしての実績も長い。 絶対青春コメディ sing!!! 九州公演 2022/01.14〜15 劇団S.W.A.T!公演「ある超能力者の記録」2022/02.10~20 など
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