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☆TAKISHITA RYO Official Blog ☆

黄桜とふりーじあ【父との思い出】

2022/04/26
 

2011-05-24 12:07:50

団地は春も過ぎた。

 

 

 

中学校を見上げる坂の途中に、親父がいた。

今日は駅から電話をしたので、ついでの散歩がてら外にでていたのだろう。小桃の木がならぶ路で、

僕は手を挙げた。

こころなしか親父が小柄に見えた。

手を振った、何か見ていた。
あれオヤジだよな?

「よお」
そっけないがニンマリしている。

「何」
「黄色い桜が、咲いてるんだよ」

きいろい桜?…日本酒、黄桜。

青い空に黄色い花を付けた木があった。

 

 

 

「あさぎ桜とかギョイコウとかいうんだけど、」
花と宇宙にやたら詳しい父。

「桜より遅いんだね」
「前は、わさわざ見に行ったのに、ここで咲いてんだもんな」笑う。

黄色というより淡い暖緑にも見える。

あさぎ桜とは、浅葱桜。
浅い葱(ネギ)色なんて、桜とはほど遠いイメージだ。
浅黄桜の方が字面っぽい。

それにしてもギョイコウは

「はい、そのように」の御意か、
玉(ぎょく)の香(こう)に通じているのか。

ほんとは御衣黄。

高貴な黄色い衣(ころも)だろう。
しかしこの花に、清酒の黄桜のイメージはないな。

いとめずらしき桜を
父としばし目撫でる。

坂道の通学路を返すと住み慣れた棟に向かう。

 

 

 

実家の匂いがする。

染みついたものだろう、僕にもまだするのだろうか。
もう薄れてしまったかもしれないが、この芳香に離れられない親しみを感じるのだ。

そこに花の匂いが混じる。

植木が好きだから、一年中花のある部屋だ。
なんだろう、この匂いは。

「株がふえちゃって、今たくさん咲いてるんだよ」

まぶしいくらいの黄色い花が伸びている。

 

困りながらも嬉しそうにしゃべる父の言葉には、いつも
生命のしたたかな強さと、奔放で華やかに咲いている、植物の純粋なる単純さに感嘆しているように思う。
とてもやわらかく、濃さのある匂いだ。

適当に、ちゃんと手を入れ、環境が整っていれば、生命は生き続ける。そして繁栄する。

写メすると、
「それ花が終わってるよ」
「へー」
開いている二、三の花を摘み取る。

「これこれ」

昔っから眼レフで花を撮るのが好きな父だ。

「見たよ、」
「ブログ?えっパソコンやってるの」携帯も持たないのに。

「わかんないこと、こまかく書いてんね」

だはは。

ぴぴっ
パシャ

と携帯機は、写真を撮る。

「フリージアだよ」

 

 

 

 

ふりーじあ

きいろいはな

あかるいにおい

はるのはな

 

酒とつまみにはまだ早い
父は先に寝てしまうから

おたがいの最近あったこと
地震もあったし、弟の家族の話も、父の合唱の発表と、こないだの僕の芝居のこと。

黄色い桜を見た
明るいフリージアの香りに囲まれ

日が暮れ始め

もうすこし話してから
酒盛りだ。

 

黄色い桜と、ふりーじあ。

 

 

本日も訪問ありがとうございます。涼

 

氷頭の酢ノモノ(父の好きな珍味)父との酒盛り(実家シリーズ③黄桜ふりーじあの続き)

 

 

原初の森  (実家のある団地のよく見る夢の場所について)

 

この記事を書いている人 - WRITER -
俳優 YouTubeダーさん  プロデュース公演に参加したり若手作家たちの作品にも精力的に多数参加。そのBEEPでDEEPな交友関係はかなり広い。YouTubeチャンネルは保育士さんや子供たちに大人気。また国民的テーマパークのショーアクターとしての実績も長い。 絶対青春コメディ sing!!! 九州公演 2022/01.14〜15 劇団S.W.A.T!公演「ある超能力者の記録」2022/02.10~20 など
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